2016-08-08

写楽の線(2):


写楽の線(2):

写楽の線はどういう線なのか、
写楽の線ほど、凄いモノは無いのだが、
一本一本で観た時は、何か足りない。
それゆえ、ゲシュタルトの影響で近くにある線(や色)を引っぱりこむ。
すると当然その空間は歪み運動を続ける。
その運動の連鎖が画面全体に広がり、
私には、写楽のポートレートが立体に見える。

顔の輪郭は黒では無く灰色。
黒は、目、眉、髪で、上部が重く成るから、服の柄で黒を使い、散らす。
鼻が凄い、顔は下から見上げてるのに、鼻は上から。とか、
その鼻筋のラインはどこを描いたの?とか、
この仕様は、鼻のラインだけではない。

もう、究極なんだけど、
描いてないのに、線が見える、とかかな。
まあ、ゲシュタルトだけど。

大きな壁に、小さな作品一点でも、間が持つのを、
情報重力が大きいと考える。
多くの作品を展示する場合は互いの情報重力バランスを考える。
全ての情報には重力がある。
そして、それは立体的に広がり、
線にも色にもある。

なぜ、この話が出て来るかと言えば、
写楽の絵を観ていた時、
情報にも重力があると感じ、
なぜ立体に見えるのか分かった気がしたから。


その辺の事を考えながら描いたのが、2010に描いた下記のシリーズ。
今はそれを、ペインティングに応用している。












このシリーズは2010に、ZENSHIにて個展をした時に、大量に展示。
個展なのに、多く友人の作品がある。と言う、関係性がらみの展示。


展覧会中の記録: http://kaoruarima.blog.so-net.ne.jp/