2013-02-07

作品コンセプト2013


作品コンセプト 2013

関係性の輪郭 :

関係性で大切なのは、
マンガや映画のコマとコマの間、
文章の行間、描いていない部分である。

見えている部分や、繋がりが不必要なわけではない。
それぞれに意味(肉体と精神)はある。

空に浮かぶ星座のように、関係を名付け、
縛り、自律性を高めることも大切だ。が、

同時に見えない部分、名前の外側を感じることが大切で、
その、広がりは、うつくしさ」と関係している。

全てを同時に感じること「あること」の補助線。
それが、関係性の輪郭である。

+

うつくしい」と「キレイ」は違う。
キレイ」は、整理整頓で、
自覚があって、キレイだな」と思う。
うつくしい」は、後になってから理解する。
なぜなら、その時は、うつくしい」の一部に成っているから。
うつくしい」を表現した作品を作りたいが、
そう思って制作すれば、うつくしい」は逃げてゆく。
ならば、関係性(空間)の中に包み込むしかない。

+

チープであること。
日常のそばにあり、脆く、血が通う。
命が見える、花の様に、
限りがあるから、瞬間が美しく感じる。
だから、大切にし、守ろうとする。
すべての作品が、実はそうなのだが、
チープな作品は、それが解りやすい。
死を、平等を感じる。
指先に死を感じ、いずれ、
全ては、大気(空間)と混ざり合い、
関係の一部に成る。

+

キャンバス作品について、
木枠、キャンバス、釘を、キリストの磔のイメージとリンク。
画面のカットは、トマスの不信心とリンク。
>これが、私にとって、リアリティのある、
キャンバスの向き合い方だった。
また、カットした部分は燃やし、大気(空間)の一部にした。


針金作品について、
二次元のドローイングを三次元で表現し、
視点で変化するように、空間的な表現にしている。
また、ライティングにより、
針金と、その影がメビウスの輪と成る。
内と外を飲んでそこにある輪郭。

新聞作品について、
新聞紙をキャンバスの代わりでは無く、
新聞紙として使用している。
その中央に描かれる絵、周りの新聞は、
どこまでが作品か解らない。
作者、絵、新聞、社会が、絡み合う。
上だけで止めて、風に波打つ様な展示方法をとり、
立体作品としても、機能する。

彫刻作品について、
頭部の中は空洞にしてあり、風(空間)が通る。
肉体の単一性と、精神(空間)の共有を意味している。

一つ一つの作品は、
関係性の輪郭を表現するために、
「個、空間、個の繋がり、個と空間の同期」が、
バラバラに表現されている様に見えるが、
入り口が違うだけで、出口は同じ。
空間を観なければ作品が現れない。
名付ければ逃げてゆく。
中でも外でも無い輪郭。

空間には、過去も未来も無く、
今と言う時間の広がりがある。
風と言う揺らぎがあり、常に変化している。
命と死があって、あるという状態で、それは、
とても、うつくしい。
はずだ!

、と。

あること」に近づき、捕らえるために、
制作している。
今も、名付ける前の、空、雲、山があるのだから。

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ちなみに、このコンセプトを、まとめることができたのは、
ベラスケスのラスメニーナスとの、出会いが大きい。

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五月に、海外で展示する事に成っているので、
まとめてみた。

今まで、自分でも、何やってるのか、
不安だったが、何となくだが、形が見えてきた。

見えてきたと言っても、
名付けたら、消える様な、代物だが、、、、。

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