2012-12-24

風が吹けば桶屋が儲かる展の感想


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MOT の、風が吹けば桶屋が儲かる 展をみた。

簡単にいえば、かなり、面白かった展覧会だった。し、
すべての作家が、面白かった。

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まず、森田さんの作品は、
噂で聞くだけだと、今更?って感じがしてたけど、
実際見たら、アリ!だし、面白かった。

彼は、海外でアートを学んでいるからなのか、
日本の作家にはない、思考というか、構築なのかな、
とにかく、彼の作品をみると、
本場のアートに触れた感じがする。

以前、水戸で展示するための作品で、映像で時計を制作する時に、
ちょろっと、当時は、代表だったので、
水戸のキワマリ荘と一緒に入れてもらった。

地震がらみの作品を制作していて、
前回の個展がそうだと思うけど、
そのシリーズも、凄いし。
日本人って、これしか出来ません!って人が多い中、
繰り返しになるけど、本場のアーティストを感じる。

ここの展示は、空間的な広がりを持つ。

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下道さんの作品は、
こんな時期だし、考えさせられた。

石の鳥居が倒れてて、
そこに、人が座ってる写真見て、面白い!って笑ってる人とか、
何かもう、平和っていいなって、思う。

ここでの展示は、時間的な広がりを持ってって、過去に遡る。

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ナデガタさんは、
知人というか、友人というか、
数年前まで、毎週末、水戸のキワマリ荘で、顔を合わしていて、
色々話しをしてるので、まず、その成長ぶりに、ぶっ飛んだ。

時間を遡る。
五年前くらいにしよう。
水戸の駅前のシャッター通りは、みるみる拡大していた。
そこで、アートをするに当たり、
これは、県外とか、海外に向けて、何かしている時ではない。
今は、身内で楽しんで、今ここを、盛り上げよう。っていう感じになる。
私の中でだけど。。
そこに、彼(中崎さん)がいて、ナデガタがあった。

更に遡る。
水戸のキワマリ荘の場所を移転するに当たり、
部屋を借りてくれる人を探していた。
そこに、水戸芸の高橋さんの紹介で彼に出会った。

彼が、入る!って言ってなかったら、今の水戸のキワマリ荘は無い。

な、感じで、毎週末、コタツに入って、ダラダラしていた。ら、
今度、映画を作るって、言い出して、
は?

それが、出世作に成る。
街を巻き込んで、映画を作って行く、っていう作品。
出来上がった映画?映像作品は、作品と読んで良いのか怪しい。

が、その、映像を見た時、これは、凄いなって、思った。
ただ、そのころから、
無意味に長い映像作品は、何とかならないのか?
って思ってた。で、

今回のMOTの展示で驚いたのは、映像の扱い方。
凄い成長ぶり。
山城さんと、野田さんの力だと思う。

私のナデガタ作品のイメージは、
オープニングの二次会。
この感じが、一番楽しいんだから、
これを、そのまま、作品にすれば良い!
後は知らん!

これをそのまま、中崎さんに言ったら、
何言ってるんですか!って言われた。

展覧会では、渦の中心。
とにかく、混ぜる。

このチームは、バランスが良いし、
今の日本に必要な作家。

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奥村さんの作品は、
部屋に入った瞬間、鳥肌が、立った。
あれ?
こんな人だった?って思った。
この展覧会を五回ほど、ぐるぐるしたのだが、
二回目も、ゾクゾクした。
何故だろう。
三回目で、椅子に座って考えた。

最初の頃の作品は、
ビーズを陰毛で大量につなげたり、
ツバをフライパンで蒸発させたり、
キモ要素の多い作家の印象っだった。
何かで読んだら、物質として扱っているだけって言ってた。
で、
二年前、同じギャラリーに、私が所属することになり、
改めて、彼の個展を見に行ったら、
落語の映像の作品で、え?と、思ったが、
落語の話は、自分の目玉が、災難にあって、色んな場所に行き、
其れを、見ることで、体験してしまう話。

やはり、肉体性に、キモさは残っているが、
胃液が上がってくる感じはない。

と、考えると、物質というか、
物質という言葉、貼り付けた言葉によって、
物の見方、感じ方、肉体に変化を与える。

翻訳をするように、成ったからなのか、は、わからないが、
文字の音と、映像。
映像の文字と音。
音の文字と映像。
とにかく、あの場所にいると、肉体的な変化を感じる。

同じギャラリーに所属している事が、
嬉しかったな。

この展示は、文化的な広がりとか、
肉体的な広がりを感じた。

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佐々さん

タイムマシーン。
この部屋にきた時に、ああ、この展覧会好みだ、って感じた。

始まったら、ずっと途中、ただ、その時その時に答えは必要だ。
って言う考えが私に、あって、それには、救いがないんだけど、

彼の展示室には、棺桶が有って、方舟に見えた。

この展示は、未来に向かってばらけて行く感じ、
未来に向かって、関係だけがある広がりに、
OFFを用意している。

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田村さんの展示は、
現実とファンタジーの広がりを感じた。
地下のは凄かった。

後、
何週も、この展示を見てると、
この展覧会は、見るものが無いな。って言ってる人と、
この部屋で、何人かすれ違った。
いや!
ここは、あるでしょ!
って思ったのだけどね。

でも、これまでの展示の体感のせいで、
この部屋を、そう言って、素通りしてしまう。

それが、怖かったし、面白かった。

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田中さん

この展覧会は、広がりとか、関係性とか、
よくまあ、コレだけのモノができた!と、思った。
田中さんの参加の仕方も、
その一つだろう。

田中さんとは、
光州ビエンナーレで、お世話になった。
私は、英語喋れないので、
ひっついていた。

彼を見ていて思うのは、
アーティストでありたい。
世界で活躍したい。
って気持ちが強いってことだ。
そして、そういう人しか、残らないし、
その気持ちが強い人ほど、上に行く。

これは、どの世界も同じ。

日本にいると、その、モチベーションを、
見つけたり、保ったり、するのが、至難の技。

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最後にタイトル。
風が吹けば桶屋が儲かる、は、
桶屋が儲かるのはなぜだろう?から、逆算したのではないか、と思っていて、
何故なら、遡るほど、ファンタジーだからだ。
目に砂が入って、盲人になる。ってどんな砂?
レゴリス?月の話?

そんなわけで、考えれば考えるほど、
ファンタジーな、展覧会だった。
ので、感想書いて見た。

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