2012-09-24

キャンバス作品コンセプト 2012



キャンバス作品コンセプト:

モデルを、複数の焦点(視点ではない*1)によってとらえ、イメージの重層をし、
さらに、部分(例えば頬)を、「点、線、面、体」の、
どれかのイメージでとらえる。

ただし、そのイメージの素は、皮膚、筋肉、骨など、
皮膚の表面に現れているイメージを分解し、再構築する。
ここに、色やストロークなどが加わり、さらにイメージの重層に、
厚みをもたらす。

これは、(キュビズムから続く)コラージュを応用した、
イメージの重層による関係性によって、もたらされる人物画で
ある。

上記が技術面の探求であるなら、
内容は、絵画と宗教美術の関係性から、
救済、自己(個性と役割)についての探求。

技術面や内容に共通しているのは、関係性と輪郭(ドローイング)である。
関係性によって、浮き彫りに成るのは、
マンガや映画のコマとコマの間、文章の行間、描いてない(映ってない)部分である。

カットについては、
物質性、空間性、鑑賞者との関係性を表している。
カットの中の空間と鑑賞者を包む空間の同一性によって、
絵画の自立性に対する問題定義を投げかける。

人は「信じること」が一番大切であるが、そのコトを、
「トマスの不信」として、カット(穴)のイメージに落とし込んでいる。
また、穴は、エロティックなことや、始まりや終わり、をイメージさせる。

彫刻作品は、頭部の中が空洞にしてあり、
肉体の単一性と精神性の共有を意味している。
カットと意味的には同じ。

見えてる部分や、つながりが不必要なわけではない、
それぞれに意味(肉体と精神)はある。
同時に見えない部分を感じることが大切だと思っていて、
それは、「ある」ことで、「あること」と「うつくしさ」は関係があると思っている。

「あること」は、関係性の輪郭である。


*1:複数の焦点については、次回に詳しく。

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