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20〜30代の頃、よく見た夢がある。
自分自身が、不安になるくらいよく見た夢。
年に一回は見たと思う。
リンゴの夢:
私は、台所にいる。
母親が夜食の準備をしている。
テーブルからそれを見ている私は子供だ。
父親が帰ってくる。
母は、玄関に行き、色々してる。
音だけ聞こえる。
父親がテーブルにつく。
食事が始まる。
父親は、家では何もしない。
ヒゲをはやし、
完全な家の長であり、威厳。
私は緊張しながら食事をする。
デザートに、皮を剥いたリンゴがでる。
ある日。
母親が車の事故にあう。
かなり、酷い事故。
朝。
私が台所に行くと、
父がタバコを吹かしながら、
リンゴ?を食べていた。
お前も食えっ」とリンゴ?の入った皿を前に出した。
奇妙な形をしたリンゴ?がいくつかある。
皿の上に、ごろごろした感じであった。
母は、椅子の上に奇妙な形で丸くなり、
リンゴをカジって食べていた。
入院から戻った母は、手足が色んな方向に曲がり、
脳に障害残り、
うまく手足を動かせない。
言葉も、時間をかけて、片言。
ほとんど、聞き取れない。
いつも、よだれが出ていた。
父が言った。
今、お母さんに、リンゴを剥いてもらっている。
お前も、食べなさい。
母の椅子の下を見た。
大量にリンゴの皮が落ちていた。
私は叫んだ。
気づくと、別の家にいた。
のどかな風景が窓から見えて、風が入ってくる。
おじいちゃんが、父の愚痴を言いながら、作業している。
母方のおじいちゃんの家にいるようだ。
私は、お腹がすいたので、台所に行く。
父がいた。
そして、普段どうり、
お前もリンゴを食べなさい。」と、言った
となりで、母がリンゴを歯で剥いていた。
手とリンゴがよだれで光っていた。
もの凄い音が遠くから聞こえて、
台所の扉が、はじけた。
おじいちゃんが、包丁をつかみ、
お前みたいなヤツは!
お前みたいなヤツは!
父をにらみ、包丁を振り上げた。
近くに置き時計が見える。
父とおじいちゃんは、もつれあう。
包丁が手から離れ、空中に舞う。
スローモーション。
その時、
私は子供では無く、映画館でそれを見ている。
その時の年齢で。
包丁がスローで、おじいちゃんの背中に刺さる。
もの凄い音がする。
この音は、いつも目覚ましの音。
目が覚める。
なんて酷い父なんだ!
母がかわいそうだ!
なぜ、おじいちゃんの背中に刺さるんだ!
(ちなみに、実際の父は家事もしたし、夢に出てくる人は会った事がない。)
なんなんだ、この夢は!
と、いつも思った。
>
そして、その日がくる。
いつもの様に、同じ夢を見て、目覚ましで起きた。
泣いていた。
いつもと違っている。
母は幸せだった、かもしれない。」
そう思った。
モノの見方、
考え方が全く変わった事に気づく、
父は、事故の後も、何もしなかった。
母が必要だったのだ。
どんなに時間がかかっても、
母に色々させた。
リンゴの皮むきもそうだ。
包丁が持てないから、歯でかじる様に剥いた。
そのリンゴを父は、幸せそうに食べていた。
私は思い出して泣いた。
自分の夢で泣く。
というのは変な話だし、
この話自体が結局変態の話か!?
って感じだ。
しかし、
この夢は、私にとって深い、
私の思考のベースになった。
そして、この夢を見なくなった。
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